はじめに
前回の記事で紹介したKT0936は外付けマイコン不要で動作し、とても手軽にラジオを製作することができるICですので、M5STACK用としてPCBwayさんで試作した基板を少し改造し、筐体を3Dプリンタで造形してハンディラジオに仕立ててみました。
内部構造
出来上がっている基板に改造を施して作成しているため少々雑な空中配線となっておりお見苦しくて申し訳ありませんが、まずは筐体内部の写真をご紹介します。
大きく分けてメイン回路基板、電池ボックス、AMアンテナの3つの部屋から出来ています。
回路設計変更
試作基板からの回路変更としては、以下の点になります。
(1)マイコンからのI2Cコントロールをせずに試作回路を動作させる場合、音量調整をすることが出来ないため、ICの音声出力端子とオーディオジャックの間に音量調整用として可変抵抗を追加。
(2)試作基板設計時にはAM/FMの切り替え機能は実装しておらず、基板上のチップ抵抗の定数を半田こてを使用して取り換えることでAMとFMを切り替えて受信実験していましたが、AM/FMの切り替えを簡単にして普段使いが出来るようにするため、ICの11番端子に接続する抵抗値の切り替え用としてSDPTスイッチを追加。
(3)電源供給はM5STACKやワイヤレスイヤホンのようにLiPoバッテリーを使うことで小型にすることができますが、防災用の意味も含めて考えてみると、充電不要で入手性の良い乾電池での駆動がベターと思われるため、単4乾電池二本の電池ボックスを追加。
参考までにざっくりですが、上記設計変更点について前回記事でご紹介した回路図を微修正したものを添付しておきます。点線で囲んだ(1)~(3)の部分が、今回の設計変更箇所になります。
なお、今回の製作では視覚的に周波数の同調を確認するためのLEDは実装しませんでしたが、8番端子に適当な抵抗器と好みの色のLEDを追加すれば良いですね。
筐体を3Dプリンタで造形
上述の通り5cm四方のプリント基板と電池ボックスそしてAMアンテナを出来るだけ小型の筐体に収める方針で設計したところサイズは10.7×6.7×2.3 cmに仕上がりました。
5㎜角程度で文字も印刷しているのですが、残念ながら鮮明には造形できませんでした。小さな文字は何か印刷物を貼り付ける方が良さそうだとわかりました。
おわりに
今回は試作基板そのままを生かす前提で改造しハンディラジオを作製しましたが、プリント基板を再設計し、可変抵抗器も小型形状の部品に変更し、加えて電源にはコイン形電池を使用すれば、より小型化にすることができますね。
特にAMの受信を廃止してワイドFMのみを受信する仕様にすればかなり小型の受信機が作れそうです。機会があればチャレンジしようと思います。
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