PCBWayさんの試作基板チェックとKicadの小技オペレーションを紹介します

電子工作

はじめに

前回記事のラジオモジュール用基板はPCBWayさんで試作して頂いたものですが、この両面プリント基板の外観に関する出来栄えを確認してみましたので、ショートレビューしたいと思います。あくまで提供頂いたサンプル試作基板の仕上がり具合ですので、量産基板などの品質と異なることはご理解の上ご参照下さい。

外観

今回の基板は3種類の配線パターンの異なる各2枚、計6枚を自分でシート状態に綴ったCADデータからガーバーデータを出力して製造委託したものになります。なお、シートの作画はPCBWayさんへの注文時に依頼することも可能なようです。

全体の仕上がり具合

基板のおもて面とうら面の外観写真は以下の通りです。パープル色のきれいな基板に仕上がっています。レジスト色は数種類あり、色によって価格が異なります。今回のパープルより一般的なグリーンの方が安価です。

おもて面(部品面)
うら面(半田面)

厚みをノギスで測定したところ、指定の1.6mmに問題なく仕上がっています。(本当は1mm厚にする必要がありました・・・)

今回、基板分割用にV-CUTラインの加工を施しました。目視チェックインですが、きちんと仕様通りに両面から厚みの1/3程度まで溝が入っています。簡単に手で分割することができました。

はんだレベラーの状態は面積が広い部分は若干半田量が多い様に思いましたが、全体的には問題なく、配線部分で特に気になったところはありませんでした。参考として、あえて外観的に何点か気になったところを紹介します。

気になった点 その1

上側3枚をシート中心で180度回転させた図面を作成しましたが、下側3枚のシルク印刷(例えば、J1やL1などのリファレンス番号)が180度回転になっていませんでした。本来であれば写真上では逆さまの文字になるような設計を意図していたのですが、そのようになっていません、なぜ…?PCBWayさんのミス…?いや、それはありえないと思い出力したガーバーデータを確認したところ、完成した基板の通りのデータでした。引き続きCADデータを確認すると、同じく写真通りの図面でした。この時点で私の手違いであることがわかりました。

さらに検証するため綴り図面をもう一度作画して再現してみると、KiCADの初期設定ではシルク文字は180度回転しない仕様となっていることがわかりました。

テキスト入力部分は180度回転しているので部品リファレンスの文字に関して設定があるのかと思い調べてみると、プロパティのこのチェックを外すことでリファレンスも回転することがわかりましたので参考までに。

気になった点 その2

スルーホール部のレジスト抜きで設計したつもりでしたが、CAD上でレジスト抜きになっていませんでした。こちらも私の確認漏れです。個人で楽しむ基板でればそれほど気にする必要はなさそうですが、製品化する場合でスルーホールの信頼性が必要な場合は、ガーバー出力時に意識して確認しなければなりませんね。

気になった点 その3

基板の四隅に配置しているΦ3.1mmのノンスルーホール周辺のレジスト厚みにムラがあることが確認できました。写真ではわかりにくいですが、それぞれの基板で色味が異なっていることからレジスト厚みにばらつきがあることがわかります。Φ1.2mmの穴(図中4)はすべてムラは見られなかったので、穴径によっては顕著にムラが表れるかもしれません。

気になった点 その4

裏面側は配線も少なく大部分がベタGNDとなっていて、表面と同様に配線の不具合はありませんが、写真上段中央の基板の特定箇所に、5枚全数に打痕のようなレジストが薄い箇所がありました。レジスト用フィルムに不具合があったのでしょうか?ただし、レジストは被さっているのでひとまず絶縁性能は問題ありません。

おわりに

上記のその1とその2は私の基板CADの設定不足が招いた設計ミスでしたが、その3とその4は、いずれも今回の基板を動作させる事において性能上は大きな影響ありませんが、絶縁性能に影響が出る基板の製造においては外観検査で不具合として扱われる可能性があります。

全体的には問題の無い仕上がりですし、手元に試作基板が届くまでも早かったので、今後もPCBWayさんを活用してみようと思います。

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