はじめに
seeed studio 社から発売されているSenseCAP Indicator D1は4インチのタッチスクリーン液晶を備えていること、Wi-FiおよびBLE通信機能が使用できること、Groveコネクタにより各種センサーや周辺機器を接続することができることを特徴としたESP32およびRP2040のデュアルMCUで構成された開発プラットフォームです。兄弟品にSenseCAP Indicator D1SというtVOCセンサー(SGP40)とCO2センサー(SCD41)を内蔵したモデルやLoRa通信モジュールを内蔵したモデルD1S PROもあります。
今回、私が購入したD1はセンサーが内蔵されていないモデルですが、センサー内蔵タイプのD1Sと共通基板になっていて簡単に先の述べた2種類のセンサーを後付けで内蔵することが出来るようになっているかを確認したかったので筐体内を確認してみました。
内部写真
筐体は開けるには、裏面の6つのネジを外した後に、側面の隙間を少しずつこじ開けることでパカッと開くことができます。勘合用のツメが6か所ありますが比較的浅い噛み合わせなので、外すことはそれほど難しくはありませんでした。
筐体内部は以下の写真のようになっていて、環境センサーの実装用空ランドやLora通信用の部品実装用空ランドが確認できます。つまり基板についてはD1とD1Sは共通となっていて部品が実装されているかいないかの違いである事がわかります。
①ネジ×6か所
②CO2センサ―(SCD41)実装用空ランドパターン
③tVOCセンサー(SGP40)回路実装用空ランドパターン
④Rola通信回路(SX1262)実装用空ランドパターン
これらの空ランドにセンサーとその周辺回路部品を正しく実装すればD1Sと同様にセンサー内蔵モデルに改造することができると思いますが仮に部品を入手しても、回路図や部品レイアウト図面が入手できない限り、半田付けに自信があったとしても実際に試すことはお勧めしません。
外部I2Cセンサーを接続する
センサーを後付けで内蔵することは不可能だとしても、D1モデルにはI2C仕様のGroveコネクタが1つ背面に実装されていますので、このコネクタを使用してセンサーを接続することでセンサー内蔵モデルD1Sと同等の機能を持たせることが可能です。
今回は、D1Sに同梱されている温湿度センサーと同じ「AHT20 Groveモジュール」と、CO2センサーについては、D1Sの内蔵CO2センサーはSCD41ですが、代わりに手持ちのM5STACK社製「SCD40 ユニット」を接続しました。
ここで、SenseCAPには、I2C grove端子は1つしか搭載されていないため複数のI2Cセンサーが接続できるように「M5Stack用拡張ハブユニット」を使用しました。なお、ハブユニットはSeeed社の「Grove – I2C Hub」や「Grove – I2C Hub (6 Port)」でも問題無く使用できます。
下の写真でSenseCAP背面にはgroveコネクタが2個ありますが、右側がI2Cコネクタですのでこちらにハブユニットを接続します。そしてハブユニットに温湿度センサーやCO2センサーを接続するだけでセンサー内蔵モデルD1Sと同等機能に近づきます。
おわりに
無事に初期から書き込まれているファームウェアを改造する必要もなく、センサーで取得したCO2濃度、温度、湿度の値がモニターに表示する事ができました。
なお、SGP40を搭載したtVOCセンサーは手持ちが無く今回は接続していないため画面ではN/Aが表示されていますが「Grove – VOC Gas Sensor (SGP40)」を購入後に接続して結果をみてみたいと思います。
D1SとD1の価格差は約4,400円ですので、CO2センサーが必要でしたら初めからセンサー内蔵モデルのD1Sを購入する方が安価で余分な配線も無くスマートですが、既に各種センサーを所有している場合や、まずはモニターだけが必要であれば、センサー無しモデルを購入しておき、後ほどgroveセンサーを購入して接続すれば十分かもしれません。
VOC Gas Sensor が到着しました
結果、未接続時は”N/A”の表示でしたが、tVOCの値が”5″と表示されていますので測定されていることがわかります。
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