プライベートLoRaとM5STACK GPSユニットでトラッキングを行い通信距離を確認する

ARDUINO

はじめに

今回、Arduino MKRWAN1310の通信距離フィールドテスト用として北側は田園地帯でかなり広い見通しが確保できる実験には適した立地がありましたので通信距離の確認をしてみました。

セットアップ

受信側モジュールは家屋二階高さ相当の北向きの窓にアンテナを貼り付ける設置を行い、送信機から送られて来るGPSデータのログ記録のためにはTera termのログ保存機能を使用してPCに保存しました。

送信側モジュールはどのぐらいの距離と範囲で通信出来ているかを確認するためにGPSの位置情報を取得するM5stack GPSユニットを使用、また上手くGPS信号を受信して位置情報をLoRaで送信していることを手元で確認することが出来る様に、小型モニターとしてSeeed社のGROVE OLEDディスプレイを使用してみました。

あとは、電源供給用にLipoバッテリーを接続し、USB端子にはモバイルバッテリーを接続しました。

結果

下図が受信機が受信した徒歩の軌跡(GPSの緯度、経度)をGoogle Mapに取り込んだものとなり上方が北となります。なお、実験場所周辺の情報はマスクし伏せさせて頂いています。

〇 この図の左下①が受信機の設置位置となります。この地点から送信機を持ちながら徒歩で北上して東に向かい、その後最大距離となる右上②の位置に向かっています。GPS位置情報の送信間隔は10秒毎に1回に設定しました。

〇 ②の地点は①からの直線距離が約2.2kmの地点となります。②付近で3㎞位歩いたのでしょうか、歩くのが疲れてきましたので帰りの道のりも考慮して南下し①に向かって戻りました。

〇 ①に戻るまでの途中の③周辺は①からの距離は比較的近いですが民家が密集している場所であり、軌跡記録されていませんのでLoRa通信ができなかったことが分かります。

〇 一方、②の地点でも通信は全く途切れていないことから2.2kmからさらに通信距離は伸びると思われ、見通し範囲では相当な距離でも通信できそうなことがわかりました。

後日、見通し距離が取れる場所が見つかれば長距離通信の限界まで実験してみると面白いと思いました。

おわりに

完全な見通しが確保でき、数百メートル程度の中距離のであれば低速無線LANも有用ではありますが、LoRaは外乱要因も多い屋外でのデータセンシング用の通信手段の有力最適解として今後普及が見込まれると思われます。

今現在、日本でインフラの整備が十分で無い事とキラーアプリが見当たらない事で一般的な通信手段として使用されていませんが、日本国内でも使用できるモジュールのラインナップが増加しているので普及を加速させる環境が徐々に整いつつあるように思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました