Bosh製BME680ガスセンサーによるCO2濃度測定の考察

電子工作

【はじめに】

我が家に設置している各部屋の温度や湿度、CO2濃度を測定するために作成した室内空気環境モニターで使用しているセンサーについての考察です。CO2濃度の指標としては厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、空気環境の基準として、CO2濃度は1,000ppm以下に維持管理に努めなくてはならないことになっています。また、2019年末(2020年初め)から始まったコロナ禍においては、人間の密集度合を判定するためにCO2濃度を目安として使用されることが多々あります。今回はそのCO2濃度測定について各センサーの計測値に着目してみました。

【デバイス】

現在、私が環境モニターで採用しているセンサーは、CO2センサーはMH-Z19B、ガスセンサーはBME680でありこの2種のセンサーで考察を行いました。MH-Z19BはCO2濃度そのものを測定することが可能な仕組みとなっており、一方、BME680については揮発性有機化合物濃度を測定するガスセンサーであり、直接CO2濃度を計測することは不可能ですが、Bosch が提供している”BSECライブラリ”を使用することによって等価的なCO2濃度(eCO2)を測ることができます。なお、MH-Z19Bについては模造品もあるた安心して日本で入手するためには、後継機種のMH-Z19Cが信頼できる秋月電子通商で販売されているのでそちらを購入するほうがベターかもしれません。

【結果】

では、我が家で測定した2つの測定結果(相関グラフ)を添付します。

roomAはリビングに設置したセンサーの測定結果、roomBは寝室に設置したセンサーの測定結果となります。このグラフでは2種の測定結果を横軸と縦軸にプロットすることでどれぐらい相関性があるかを確認することができます。どちらも0時から5時の間の測定値であり、横軸がMH-Z19Bの測定値、 縦軸がBME680の測定値です。どちらの部屋のグラフもほぼ一直線の右肩上がりですのでプラスの相関が取れていると考えられます。よって、直接CO2濃度を測定することができないBME680であってもBSECライブラリを使用すればCO2濃度の変動は計測可能であり、部屋の換気タイミングの判断には使用することができるとわかりました。
なお、このグラフからは読み取れることはできませんが、時間対CO2濃度の測定結果では、夜中はリビングには人がいないため高濃度から低濃度へ徐々に下がっていき、一方寝室は、人が密集するため低濃度から高濃度へと上がっていくことが数字として認識することができ大変興味深かったです。
さて、秋月電子通商で販売価格を見るとMH-Z19Cは2,480円、BME680は1,320円と価格差は2倍近くあります。上記結果よりBME680での等価的なCO2測定ではありますが、CO2濃度絶対値が必要ではなくて換気すべきかの判断の目安として使用するのであれば、BME680は安価な空気品質モニタリング用のデバイスとして十分に使えるのではないでしょうか。
それにしても、扉を締め切った寝室(6畳4人)のCO2濃度は就寝中4,000ppmにもなるようで、絶対値が意味するところは十分に理解できていないですが、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準値の4倍とかなり高いことには驚かされますね。

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