プログラミング・フォロ スピークの内部回路をさくっと解析してみました

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はじめに

2022年10月発売のフォロを購入しました。
以前より数種類のフォロがシリーズで発売されており気になっていたのですが、従来モデルには無い機能「おしゃべりをする」というスピーク版に魅せられてついに購入しました。

組み立ては大人で二時間ぐらいかかりました。組立手順や遊び方は他のブログにお譲りする事にして、当ブログでは内部の電子部品を見てみます。

音声合成用基板

今回のモデルの特徴となる音声発話機能は、過去に発売されたフォロ達には搭載されて無い新規設計した音声発声基板が内蔵されています。

写真1

この写真1の赤い基板は、同時発売されたおしゃべり機能が無いノーマル版でも使用されているLEDマトリックス基板に追加して使用するように、コネクタで接続されています。

基板上の部品と回路構成を確認しますと、おしゃべりフォロの一番肝心な音声合成LSIは右下のATMEL製ATMEGA328(U5)となります。

このLSIに音声合成用のプログラムが書き込まれてており、音声はオフィシャルHPのフォロ紹介動画でもアップされていますので聞いていただければ聞き覚えのある方もいらっしゃると思います。

そう、ゆっくりボイスで有名なAquesTalk Pico LSIです。

AquesTalkは株式会社アクエスト社が開発した音声合成エンジンであり、WindowsアプリやESP32マイコン用ライブラリに加えてフォロに内蔵されているような、女声、男声、ロボット声など7種類の声種を実装したLSIとして市販もされており秋月電子通商やアクエストオンラインストアから購入可能です。

ATMEGA328チップ表面のマーキングを観察すると”B1”と”A1”が併記されていますが、AquesTalk Pico LSIの仕様によると”B1”は男性の声で”A1”は女性の声となっています。
はて? かわいらしい声でしゃべるロボ、フォロは男の子なのでしょうか?女の子なのでしょうか?謎が深まりますね。

基板中央にはLEDマトリックス基板と接続するためのコネクタ(J3)があります。コネクタ付近のシルク印刷されたり文字に”TXD”や”RXD”の表記があることから、UART通信でLEDマトリックス基板側に実装されているシステム全体を動かすプログラムが書き込まれたメインマイコンとデータの送受信を行っていることが推測されます。

音声合成LSIからの音声信号は左側のオーディオアンプ(U6)で声量を適切に増幅し小型化スピーカから発話しています。

回路図を作画してみる

上記にて説明した通り、赤い基板の回路構成は、アンプICと音声合成マイコン、および小型のスピーカーを結線している簡単なもので、配線は複雑ではないため基板は両面基板で製造されています。私が目視でトレースし製図した回路図を紹介します。かなりシンプルな回路ですね。

図1

LEDマトリックス基板も確認

下の写真2のように、中央には赤い基板側にあるコネクタと結合するためのスルーホールがあります。

こちらの基板に使用されている半導体は、メインマイコン(U3)とLEDマトリックス制御用のLED-Driver IC(U1,U2)が2つ実装されているようです。

赤い基板と音声発生基板の結線については、スルーホールで結合させる構造になっていますので、スルーホール内部の銅箔が剥がれて接続不良が発生すると困りますので、2つの基板はあまり挿抜を繰り返さないほうがよさそうです。
基本的な考えとして、このような市販製品は一度結合させると分解することはないので、コストダウンのためにコネクターを使用しなかった事は賢明な設計と思います。

写真2

おわりに

今回の解析では、赤い基板はLEDマトリクス基板とは独立して使用できるので、万一フォロが故障してしまっても他の工作に音声合成装置として活用出来ることがわかりました。

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