はじめに
これまで秋月電子で購入したKTMicro製のラジオICの2種類の動作確認をしてラジオ周波数を受信しましたが、最後にKT0937を動かしてみたのでご紹介します。KT0937はこれまでの2種類に比較するとラジオ番組が聴けるようになるまでに少し設定が必要でしたので、以下に紹介している内容が動作チェックの参考になればと思います。
部品実装基板(基板組品、PCBA)
まずは部品実装された基板の写真後ご紹介します。以前紹介しましたKT0913で設計した基板からさっくっと変更したものなのでそっくりに仕上がっています。
ちなみにですが、部品の半田付けがされていない基板のみのことを生基板(なまきばん)と言い、部品が実装(半田付け)されたものを日本語では「基板組品(きばんくみひん)」と言います。基板組品については、最近は特に英語で表現することも多く、「PCBA(Printed Circuit Board Assembly)」という言葉がひろく使われています。
回路図
データシートを参照すると、FMとAM周波数を受信する場合の回路図は次の通りになります。このICも内部に高周波信号用のフロントエンドアンプおよびミキサーから低周波信号用のオーディオアンプまで内蔵されているラジオICですので、ICの周辺回路部品の点数は少なく、とてもシンプルな回路図となります。
なお、マイコンに接続する端子はI2Cインターフェース端子のSCL,SDAのみで問題ありせん。INT端子はラジオ信号チューニングの状態をHighまたはLow出力する端子ですので、必要に応じてマイコンに接続すればよいと思います。
Pin No | Name | IO | Description |
7 | INT | Digital Output | interrupt output |
9 | SDA | Digital I/O | 2-wire interface |
10 | SCL | Digital I/O | 2-wire interface |
データシートによると周波数受信チャンネルの選局回路は、KT0913と同様に、上記回路図のようなボリューム抵抗を使用するDial Modeの他に、下図のようにPUSHスイッチを使用するKey Modeも使用可能です。
動作確認用プログラム
M5STACK でFMラジオ受信確認用のArduinoスケッチを作成してみました。全レジスタの意味を理解できていませんが参考として一部分ですがご紹介します。動作確認用のスケッチですので、Arduioのシリアルモニタに受信周波数を表示するようにしていますが、M5STACKの画面には何も表示されませんのでご注意ください。M5STACK特有のコマンドは使用していませんのでArduino Unoでも少し改造すればおそらく動くと思います。
おわりに
初期レジスタ設定ではノイズの音量が大きく聴き取り難いかもしれませんので、soft mute の設定など煮詰めるとよりクリアに聞こえるようになると思います。
また、PCとUSB接続している場合、シリアルモニタを開いているとノイズが入りますので、シリアルモニタを閉じた状態で音質を確認するのがベターです。
ここまでに紹介しましたKTMicro製の3種類のチップ以外にも1チップラジオICは複数社から発売されていますので色々と性能の違いを確認してみても面白そうです。
ご参考までに、基板とサンプルプログラムをBOOTHで頒布していますのでご興味のある方はどうぞ。
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