はじめに
令和4年4月より改正道路交通法施行規則が順次施行され、安全運転管理者による運転者の運転前後の目視等による酒気帯びの確認が義務化され、確認記録は1年間の保管が義務付けられます。さらに令和4年10月からはアルコール検知器による検査が義務付けられます。
安全運転管理者の業務の拡充|警察庁Webサイト (npa.go.jp)
※令和4年8月24日:現在は機器の使用義務は当面の間延期とする検討がなされています。
そこで簡易的に測定できるアルコールチェッカーを電子工作してみました。
なお、実際の白ナンバー事業者でのアルコール検知器の運用は認定機器での測定が必須となりますのでご注意ください。
認定制度および認定機器(外部検定) (j-bac.org)
デバイス
ここではM5stickCとMQ-3アルコールセンサーモジュールはWaveshare MQ-3を使用しました。
WaveshareではWikiページとして参考記事がありますのでこちらの内容を活用します。
MQ-3 Gas Sensor – Waveshare Wiki
結線は次の通りです。
M5StickC — Sensor
G26 — DOUT
G36 — AOUT
3V3 — VCC
GND — GND

Amazonでも同様の機能を持つデバイスが販売されていますのでご参照ください。
プログラム
まず手始めにArduino用サンプルスケッチを以下のように改造して動作確認をしました。
単純にセンサーからのアルコール濃度に応じて出力されるアナログ電圧値を検出するプログラムとなっています。M5stickCのADCの精度(直線性)やアルコールセンサの官能特性は考慮していません。

結果
今回使用したセンサーでは通常の空気環境でのアナログ出力値は約1.7Vでした。ここで息を吹きかけても電圧の変化はありませんでした。
そこでアルコール消毒液を染み込ませた綿棒を近づけると直ぐに3.3Vになりました。上手くアルコールに反応している様です。
またビールを飲んだ直後に息を吹きかけてみたところやはり3.3Vが表示されます。その後約一時間後に息を吹きかけて確認したところ2.1V付近まで上昇しました。2時間後でも2.1Vを表示しました。
おわりに
飲酒後2時間程度ではアルコールは体内から抜けていないことがよく分かりました。
相対的濃度が検出できるのでアルコールチェッカとしての機能は十分あると思いますが、ある程度の精度で絶対濃度の表示もできないか、後日もう少し改良したいと思います。
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