はじめに
M5stackシリーズは表示画面や電池、プッシュボタンというインターフェースが実装されている事でお手軽に電子工作が楽しめるので私は良く利用させて頂いています。ただ個人的な感想ですが、M5シリーズは開発スパンが短い為か不具合も時折見られ、一般向けの製品としての完成度は十分とはいえないと感じています。
やはりターゲットは開発者向けの実験用デバイスという位置付けとして割り切っていると理解しています。その様に感じている中、M5stickCの液晶不具合が発生したため修理を行いましたので参考に紹介します。
なお、M5stickCはいくつかの内部回路違いのバージョンがある様で今回の方法が一律に効果があるかはわかりませんが試してみる価値は十分に有ります。
不具合発生要因
温度計兼時計のプログラムを書き込んで設置し毎日使用しているM5stickCの液晶画面に時間や温度が表示されなくなりました。普段は人の出入りが少ない部屋である事から画面は常時点灯している必要はなく省電力化の対策として、このM5stickには人感センサーを接続し人が近づいた時だけ画面表示する様にしていました。
ある時、数日間は部屋で長時間の作業をする必要が出来てしまい、その結果、センサーが人を頻繁に検知してしまう事になり、画面のON/OFFが頻繁になっていることがありました。これが原因で故障したのか液晶画面に温度などの表示が無くなりました。
つまりその画面ON/OFFが頻繁に発生する事で液晶ドライバーICの故障かあるいは液晶のバックライトそのものが壊れたと思いました。
このM5stickは画面表示がされず時間はわからなくても温湿度の計測とサーバへの測定データの保存は出来ていたため画面が見えないだけなら良いかと思い継続使用していましたが、やはり直接画面で見れる方が好ましいため修理に挑戦しました。
修理手順
まず始めに、原因特定のためArduinoのFactory Test のプログラムを書き込んでみたところ、シリアルモニターに”code=21 str=AXP find error” のメッセージが表示されました。このエラーメッセージからバックライトの故障というよりは、どうもAXP電源系の問題だという判断しました。
そのため電源ICの不具合の為であればIC交換などが必要なので少々大変かも知れないと思いながらも、まずは先人たちの構築した修理方法が無いかどうかWebで検索して確認したところ、今回の不具合は”GND”端子と”BAT”を直結してUSB給電する方法で見事、画面が表示させる事に成功しました。
手順としては、下図のようにジャンパワイヤでGNDとBATを接続した後、USBケーブルを接続して給電します。すると正常動作に戻る場合は、液晶画面が表示されてますので、表示が確認できたらジャンパワイヤを抜き取れば良いです。
おわりに
過去に何度か試した方法だったとは思うのですが、ファクトリーテストのプログラムを一度書き込んだことが良かったのか、何事もあきらめず再挑戦してみると良いですね。
また、別の不具合症状としてM5stickCplusの内蔵リポバッテリーが過放電となり充電ができなくなった事がありましたが、”BAT”と”5V”をジャンパーワイヤーで結線して電源ボタンを押しながらUSBから給電で充電が開始されました。
こうしてみると電源ICに関連する不具合解消方法として、”BAT“と接続する電圧は”GND”が良いのか”5V”が良いのかは、その時の症状によるのでしょうかね。
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