はじめに
2023年4月12日から13日の午後にかけて大陸から沢山の黄砂が飛来したとのことで、この二日間は普段はよく見える10km程度先の山々もすっかりモヤっとかすんでいました。花粉によるものなのか黄砂によるものなのかは不明ですが私の身体にも目のかゆみと目ヤニがでる症状があらわれました。
これらの現象や症状は明らかに普段とは違うと感じられたのでリビングに設置している微粒子センサー(Sensirion製SEN55)が何かを観測しているかもしれないので収集データの確認をしてみました。
なお最近は花粉を屋内に入れないようにするために洗濯物は部屋干しで行い、外気が室内に入らないように窓はできるだけ開けずにして、食事の調理時にのみ換気扇による換気で過ごしていた状態での測定となります。
SEN55で取得した測定値を確認する
毎日一分間隔で収集しているパーティクルセンサーの11日から15日までの24時間のデータのグラフはそれぞれ下図の通りです。
グラフを見ると11日は、どの粒子サイズも同程度の検出量ですが、あきらかに12日夕方から13日はPM10、PM4およびPM2.5として検出される粒子量がPM1の測定値よりもかなり高くなっています。
14日もまだ11日と比較して大きい粒子の観測値が比較的高くなっています。
なお、ほぼ毎日の6時頃~8時頃までと16時~20時頃までは突出して大きな数値が観測されていますが、料理やお湯を沸かしたりしていることにより発生する油や水蒸気などの粒子を観測していると考えています。
パーティクルの種類とサイズ
一般的なパーティクルの直径サイズはどの程度なのかと思いネットで検索し調べてみると、花粉は30~40μm、黄砂は約4μm、PM2.5は約2.5μm、また細菌は約1μm、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは0.1μm~0.2μmということがわかりました。
パーティクル | サイズ |
花粉 | 30~40μm |
黄砂 | 4μm |
PM2.5 | 2.5μm |
細菌 | 1μm |
ウイルス | 0.1~0.2μm |
考察
SEN55のデーターシートによると測定可能なパーティクルサイズは次の4分類で定義されています。
微粒子径範囲 | |
PM10 | 0.3~10.0μm |
PM4 | 0.3~4.0μm |
PM2.5 | 0.3~2.5μm |
PM1.0 | 0.3~1.0μm |
ウイキペディアによると黄砂は0.5µm ~5µm程度と記載がありますので、黄砂に該当する物質は粒子サイズがPM1.0とPM4の間に分布していると考えられます。そこで、11日から15日までの5日間分の測定値からPM4とPM1.0のΔ(PM4-PM1.0)を求めてグラフ化すると次の通りになりました。
確かにグラフの赤線の通り11日にはほぼ無かった粒子サイズ1.0μm以上4.0μm以下の観測量が12日から14日の3日間はかなり多くなっています。つまり天気予報で繰り返しお知らせがあった通り大陸からの黄砂の飛来が多かったことが、SEN55の性能により確認出来たと言えるのではないでしょうか。
おわりに
今回測定した部屋では空気清浄器を設置していませんでしたが、今回の計測数値データから読み取れる事は、黄砂は部屋の内部にも侵入してくるようです。
アレルギー体質の人は黄砂飛来後は部屋に設置している空気清浄器のフィルター清掃は水洗いするなど出来るだけ丁寧に行ったほうが良さそうです。
あまりうれしくはないですが、次に多くのみ黄砂が観測できる機会があれば部屋に空気清浄器があるかないかで測定比較をしてみるとさらに面白い結果が得られるのではないかと思っています。
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